dermathefucker(デルマザファッカー)

皮膚科医のセキララなお話

院外処方?院内処方? 良いクリニックの判断基準になる?

院外処方と院内処方

 

患者的には、

実際にどれくらいの支払いの差があるのか?

 

まずは、どのような費用が加算されるのかを説明するね。

 

 

〈処方箋料・処方料〉
処方箋発行にかかる費用のこと。

院外では処方箋料として680円、院内では処方料として420円。

 

〈調剤基本料・調剤技術基本料〉
薬を調剤する基本となる料金のこと。

院外では400円、院内では80円。

 

〈調剤料(内服薬)〉
院外薬局では1週間分で350円、2週間分で630円、3週間以上になると最高770円がかかる。

薬を分包化(袋詰めすること)してもらうと890円、痛み止め・解熱剤などの頓服薬があれば210円、ジェネリック医薬品1種類の処方につき20円など院外薬局ではさまざまな加算がみとめられている。またジェネッリック医薬品を多く取り扱っている薬局では毎回40円が加算される。
院内薬局では、何種類でも何日分でも90円。

 

〈調剤料(外用剤)〉
院外では1剤100円最高300円とられる。また、2種類以上の軟膏を混合した場合800円の技術料が加算される。
院内では、何種類でも、混合しても60円だけ。

 

〈薬剤情報提供料・指導料・管理料など〉
薬の飲み方など紙面・あるいはお薬手帳に記載して指導した場合、院外では150円(月4回まで)、院内では100円(月1回限り)の情報提供料が加算される。さらに院外薬局では薬の飲み方・副作用など、薬剤師さんが細かい説明と指導を行った場合、さらに300円が算定される。

 

 

 

というわけで、

 

 

 

 

例えば、かゆみ止めの内服薬1種類28日分、外用剤3種類(うち2剤を混合)を処方した場合のお薬にかかる費用は、

 

 

 

(院内)

薬価+処420+基80+内90+外60+情100円 (月1回)=薬価+750円


(院外)

薬価+処680+基400+内770+外300+混合800+情150+指300円 =薬価+3400円

 

 

そのため、

院外処方と院内処方では、院外処方の方が、

3400円ー750円=2650円   高い

 

実際の支払金額は3割負担の場合は、

2650円✖️0.3=795円

毎月これだけの差が出る。

 

分包化したり、頓服やジェネリックにするとさらに加算される。

 

これが毎月だから、年間で1万円くらいの差が出るということになるね。

 

この金額の差と、クリニックから院外薬局へ行く労力と院外薬局で更に待つ時間。

これが、見合うのかどうか。

 

見合わないだろうね。

 

これ全部税金だから、医療費も増えるし。薬剤師会のロビー活動の賜物なんだけど、いずれ是正されるのは確実だね。

 

薬局の点数を下げられるのも、限界があるだろうから、これからは薬価差がもう少し出るようになるんじゃないかな?特にジェネリックで。

 

今は、薬価差が一円もないやつが結構あるからね。薬を出してもぜんぜん儲からないやうになってる。

 

 

 

では、クリニック目線で考えると、

 

院内処方では、

薬価+処420+基80+外90+内60+情100円 (月1回)=薬価+750円

 

院外処方では、

薬価+処680円となる。

 

薬価は仕入れ値とほぼ同じなので、実際には750円と680円が儲けになる。

 

院内処方の方が良いように見えるけど、薬剤の在庫管理のスペースや処方するためにはもう一人雇わないといけないし、スタッフ教育も必要。

750円ー680円=70円

で、人1人の人件費を賄うことを考えると、年収300万円(保険料含む)の人を雇おうとすれば、42857人分の処方箋が必要という計算。

年間で240日診察するとして、1日あたり178人の処方箋が必要となるんだけど、これはかなり流行っているクリニックとなるね。薬価差が出れば、もしかしたらなんとか人1人雇えるくらいはいけるかもだけど、今のところはきついんじゃない?

 

 

だから、院外処方が増えているんだよ。市場原理ってやつ。

 

てことは、院内処方をしているクリニックは儲けよりも患者のことを考えてるクリニックってことになるのかな。

どう考えても今のところメリットないし。

 

 

結論としては、

院内処方のクリニックへ行く方が患者思いの良い先生に出会える可能性が高い!

ということになるよ。

 

 

おわり。